08 弁護士業務

December 28, 2013

「どうしたらよいかわからない悩み」のご相談【大橋】

本年の業務は昨日12月27日で終了しました。
来年は1月6日(月)より開始します。

机周りの片付けは、年賀状が済んでから。あと2日は事務所に来ないといけなさそうです。

本年、年末近くになって新規のご相談が続きました。
典型的なものから、かなり労力を要することになりそうなもの、まだ経験したことのない行政訴訟、相手方次第とはいえ効果が出ないおそれのあるもの・・様々です。

弁護士により様々かもしれませんが、私は、どうしたらよいかわからない、と悩む方に、いろいろ事情を尋ねながら一緒に解決方法を考えることに「やり甲斐」を感じます。

他の弁護士なら解決方法を知っているだろう、というときには、ご相談をお預かりして聞いてみることもありますし、専門的なことならその弁護士を紹介します。
また、これまでの経験で培った(1999年4月登録ですから弁護士歴はもうすぐ15年です)種々の関係先との繋がりを辿り、解決に生かすことも考えます。
かなり調査や労力を要しそうなとき、若手との共同受任でパワーアップを図ることもよくやります。

私はのんびりした性格ですので、いらちな弁護士のように「で、あなたはどうしたいんですか?」と尋ねたりしません。それを言うとしたら、少なくとも1時間はお話を伺ってからです。

ですから、私のところにご相談に来られるときは、2時間くらいを見越してお越しください。
2時間を超えても2万円+消費税以上はいただきません。

その代わり、「すぐ相談したい」というご希望には応えられないことが多いです。隙間時間に1時間、という感じになり、忙しないです。
できましたら、1〜2週間の余裕をもってご予約をお願いします。

それでは、よいお年をお迎えください。

September 03, 2013

民事調停が使いやすくなった【大橋】

 大橋です。猛暑もようやく過ぎたと思えば、雨風の強い日が続きそうで、不穏な天候です。
 まずは疲れ果てた体力の回復に努めなければなりません。


 ところで、日本弁護士連合会の会誌「自由と正義」8月号に記載があって、役立ちそうなのでここにまとめます。

 2013年(本年)1月1日より、新しい非訟事件手続法及び同規則が施行され、民事調停法及び同規則の改正も同時にされました。
 この改正で、民事調停の使いにくかった点が改善されていたのです。

1 電話会議による期日が可能に

 2013年1月1日以降の申立の民事調停事件については、当事者の意見を聴いて、電話会議システム又はテレビ会議システムにより期日における手続を行うことが可能になりました(民事調停法22条、非訟事件手続法47条、非訟事件手続規則42条)。

 訴訟では既に導入されている電話会議システム等ですが、民事調停にはなかったので、遠方の相手方に対して調停を起こすのが不便だったのです。(調停は相手方住所地の管轄簡易裁判所に申立をするからです。)

 これで、いたずらに遠方の相手方に訴訟を起こさず、調停(話し合い)の手続を践みやすくなりました。

2 手続き上の救助の申立が可能に

 訴訟手続においては、訴訟費用を負担できない資力の乏しい人に対して、訴訟救助の制度があります。
 訴訟費用は敗訴した人が負担するのですが、裁判所は訴訟提起のときに原告にまず負担させ、訴訟に勝った方が負けた方に対して訴訟費用を請求して回収するという制度の組み立てになっています。
 その原則を資力の乏しい人については変更し、費用を後払いにしてくれるという制度です。

 これがなぜか調停には適用されず、かねがね不備だと思って来ました。
 訴訟なら費用後払いで起こせるのに、調停はまず費用を払わねばならないのです。
 お金がない人は調停(話し合い)が選択できず、喧嘩を売るように思われかねない訴訟しか起こせない。おかしいです。

 これが今般改善され、「救助の申立」制度ができたのです(民事調停法22条、非訟事件手続法29条、非訟事件手続規則18条1項)。要件は「不当な目的でないことが明らかでないこと」で、明らかに請求権がない場合を除く趣旨とのこと。

・・・どちらも業務の役に立ちそうです。

April 27, 2013

<離婚・相続>相性の合う弁護士か?最初の30分無料相談でご確認ください【大橋】

 この頃は弁護士もホームページを持つことが普通になりました。

 なかなか押しの強いHPも沢山ありますね。同業者からするとちょっと赤面するようなものも。

 弁護士にこれまでなじみのなかった人が、さあ困ったことになった!というときにどうやって弁護士を探すか。
 今や、ネット検索でまず探されるだろうと思います。

 それからどうやって「この人!」という弁護士を決められますか?

 私もいろいろと想像するのですが、依頼には2種類があると思うのです。

 「これをしてほしい」というものが決まっている依頼。貸金を取り立てる又は返済方法の交渉をしてもらう、貸家から退去させる又は退去を待ってもらう、交通事故の損害賠償を請求する又は請求への対応、といったもの。

 もう一つの種類は、「どうしたらいいか一緒に考えてほしい」という依頼。離婚などの家庭内の関係や、労働関係は、そういうことが多いように思います。

 後者の方のご依頼ですと、「一緒に考えてくれる」またその前提として「話しやすい」「聞いてもらえるし質問もしやすい」ということが何よりも重要ですよね。

 しかし、そうした雰囲気は、ホームページからはなかなか見えてきません。

 相性の合う弁護士かどうか、まずそれが見たい。でもそのために相談料を払うのは、ちょっと辛い。
 そういう方もきっといらっしゃるのだろうと思います。

 それで、お越しいただきやすいように、離婚事件・相続事件などの家事事件に関して、「30分で相談終了の場合には、相談料無料(初回のみ)」「延長する場合は30分以降から相談料をカウント」とさせていただきます。
 私も30分経ったところで「あなたのご希望とお人柄ならば、私よりもこの弁護士へ(あるいは相談機関へ)」とご案内をして終了する方が、お互いにハッピーだろうと思いますから。

 ちなみに私の持ち味は、「緊張せずにお話しいただける雰囲気」だと思っています。
 間違いなくスローなほうですので、イラチの人とは相性が合いにくいと思います。
 ゆっくり、悩み悩みのお話でも大丈夫です。

 なお、受任してからも仕事がゆっくりだったら困るなあ、とご心配かもしれませんが、受任時の状況により仕事が停滞しないように他の弁護士との共同受任での処理をご提案するなど、誠実な業務遂行を心がけています。

 

近況です【大橋】

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 カレンダーどおりの就業日の方、ゴールデンウィーク前半が始まり、ちょっと気分も緩みますね。

 当事務所は、ゴールデンウィーク前半と後半の間の3日もお休みをいただいています。
 電話は留守電になります。FAXかEメールでのご連絡もご利用ください。
 弁護士が仕事に出て来たときに確認する形になりますが、2日に一度は確認できると思います。

 さて近況ですが・・・ブログ更新をしていませんでしたが、特に問題なく業務を行っております。
 最近、着物に興味を持ち始めましたが、着道楽に目覚めたというのでもありません。

 母親の形見がどさっと手に入ったのが主な理由です。しかも、着る場がないのに定期的にあつらえていたらしく、ほぼ新品です。それで、もったいないので着ようと思いました。

 もう一つの理由は、体型が着物にぴったりになってきたことです。あまり深く想像しないでください。。

 さて、次のブログで業務のことを書きます。
 

February 05, 2012

取調べの可視化推進ファイル配布中【大橋】

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 これは、日本弁護士連合会が昨年末から有償頒布している「取調べの可視化」推進グッズ、透明ファイルです。

 紙を中に挟んだ状態では、「私がやりました・・」という自白の言葉が。なぜかムンクの叫びのように苦悩していますが・・


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 しかし、中の紙を抜いた状態では、「私の叫びが無理やりねじ曲げられました・・」となるのです。虚偽自白をさせられた苦悩の叫びです。

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 こちらを、相談者・依頼者の方に差し上げています。

 「やっぱり、無理矢理言わされているもんなんですかね。どうしてやっていないのにやりましたって認めてしまうのかなって、不思議なんですけど」

と、だいたいの方が言われます。

 そうなんですよね。
 しかし、逮捕・勾留されている被疑者や被告人によく会う、弁護士にとっては、「警察で調べを受けたとき、言ったとおりに書いてもらえない」という訴えはあまりに普通の出来事です。

 この「常識の乖離」を埋めたい。
 それが、取調べの可視化推進グッズを配布する私の気持ちです。

弁護士がする結婚生活アドバイス【大橋】

 夫婦関係の法律相談をたくさん受けていますと、自ずから「不幸になりそうな結婚のパターン」が見えるようになります。

 もちろん、幸せの形はそれぞれなので、鉄砲玉のように仕事に飛んでいく配偶者を陰で支える幸せもあり、浪費家でも優しいからとぞっこんの場合もあり、安易な口出しは無用ということは多々あります。

 しかし一方、「これで当たり前だと言われるけど、本当にどこの家もそうなの?」と疑問に思うことがあるのではないかと思います。

 疑問に思うことを忘れるくらい当然だとされて、何年も過ごしてしまっている人もよくおられるのですが。

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 ひとつの例として、あなたは配偶者の収入とその運用先をご存じでしょうか?

 はっきり二つに分かれます。

「定額の生活費しか渡されていないので全く知らない」か、

「全部管理しているので知っている」か、です。

 これが、正に結婚生活の主導権をどちらがとっているかを明らかにしています。

 本当は、結婚当初にここはチェックしておいてほしいところです。

 なお共稼ぎの場合、「定額を双方が出しあっていて、後はお互いに知らない」ということもあります。これは平等でお互い納得だからよいのでしょう。


 配偶者の収入を知らないという方には、同一住所地に住んでいれば、市役所で課税証明書をもらって確認できますよ、とお教えしたりします。

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 結婚当初、また結婚生活の中で、一度うちの夫婦関係をチェックしてみようかな、という方。

 これも法律相談のうちです。お気軽にお越しください。

January 04, 2012

新年のご挨拶【大橋】

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 2012年、新年明けましておめでとうございます。

 本年もよろしくお願い申し上げます。

*業務開始は1月10日(火)からとさせていただきます。まずはご挨拶から。

*~*~*~*~*~*

 昨年は、3月11日発生の東日本大震災が、日本、大きくは世界に大きな変化をもたらしました。
 大津波という自然の脅威を目の前にして、支配しきれない自然の力に人間はどう取り組むのかという根源的な問題も突きつけられました。
 また、福島第1原子力発電所の事故は、危険な原子力を完全に人間が制御できる、という「安全神話」の虚構性を明らかにしました。

 さらに原発事故は、市民が情報を開示させ、それを自分の責任で判断し、行動しなければならないということを強く示したのではないかと思います。
 政治に任せておけば、問題のないようにやってくれるはず。そう思って、政治家(議員)とか官僚に丸投げでお任せしていた結果が、「対応できそうにないことは公にしない」という秘密主義の土壌となっていたのではないでしょうか。

 私たちは、一刻を争う状況のとき、政府が「対策なき情報開示」をしたとしても、混乱して暴徒となったりするでしょうか。そんなことはないはずです。情報がないから不安になるし、後で隠されていたと分かれば憤怒が沸き起こるのです。 
 
 情報の適切な取捨選択をする力こそが、今、市民それぞれに問われていることです。
 政府が混乱を恐れて情報を隠すようなことを、今後はさせないようにしなければなりません。

*~*~*~*~*~*

 一方、弁護士業務に関して考えてみますと、ネット上でいろいろな情報は溢れかえっています。
 どのサイトがどれだけ信用できるのか。
 私たちも、サイトでの検索で情報を得ますが、同じく信用性に気を遣います。

 弁護士のところへ相談に来られる、または「弁護士に依頼する」と決めてこられる方々は、多く、ネットでいろいろな情報に接し、知識を十二分に得ておられたりします。
 しかし、ご自身の置かれた状況に対して、オーダーメイドで適切な情報はどれか、というところでつまずいておられると思います。

 私たち弁護士も知識には限りがあり、相談者の方が祈る思いでネットを調べ調べて得られた知識に追いつかないこともあります。
 でも、その知識の取捨選択は、実際に交渉の場数を踏み、裁判所の経験を積んだ弁護士との共同作業でこそ、より活かされるのは間違いありません。

 依頼者の方と、この情報過多の社会で適切な針路をとれるように、共同作業をしていきたいと思います。

September 26, 2010

法律事務所の「お披露目」小宴【大橋】

 去る9月18日土曜日、当事務所で金弁護士パートナー就任の「お披露目」小宴を行いました。

 弁護士業界外の方のためにも、ちょっと詳しくご紹介してみましょう。

 法律事務所の「お披露目」の小宴といいますのは、決まった時間で式次第に則って進めるようなものではありません。(そういうところもあるかもしれませんが・・きっとそういうところは出欠の返答を求めてくると思います)

 まずA4版1枚の挨拶状を作成し(たいてい色上質紙を使っています)、所属弁護士会の全会員に配布します。大阪の場合は、弁護士会館にレターケースがあるので、そこへ配布する形です。
 大阪は登録会員数が3000名を超えているので、けっこう大変です。

 それから、他地域の知り合いの弁護士や、依頼者・関係先の方々へは別に挨拶状を郵送します。

 その挨拶状に、「小宴のお知らせ」を書いておきます。日と、時間帯を書きます。当事務所の場合は「正午から午後6時頃まで」と書きました。
 ただし、小宴には限られた方をご招待したい、という場合は、別に「小宴のお知らせ」をお送りします。

 皆に配布したからと言って、皆さんが来られるわけではありません。どれほどの来客があるかを推測します。

 そして、お越しいただいた方に歓談していただけるよう、オードブル・軽食類と、飲み物を用意します。

 事務所の中はもちろん小綺麗にしておきます。日頃、依頼者関係のプライバシーを扱う場所ですから、それらはしまいこみます。そして、「オープンハウス」ならぬ「オープンオフィス」をやることになります。

 イメージとしては、個展会場のようなものでしょう。三々五々、時間内にお越しいただいて、主催者がお礼を述べ、歓談して、適当な時間に引き揚げていただく、という感じです。

 開業して間もない事務所ですと、平日である金曜日午後からの開催が多いように思いますが、当事務所は平日に電話を止めて行うわけにもいかず、土曜日の開催とさせていただきました。
 土曜日には西天満・北浜まで出て来ない弁護士も多いかも知れず、どれほど来ていただけるかがまた心配でしたが。

*~*~*~*~*

 さて当日、開催前のセッティング。
 オードブル類が到着しました。

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 正午が過ぎました。観葉植物が届けられましたが、お客さんが来られません。
 みんな何となく心配で落ち着きません。
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 一人目のお客さんは、弁護士業界外の方でした。

 ぽつん、ぽつんと訪問客があります。ゆっくりとお話ししながら、私たちもお相伴で軽食をつまんでいるうちに、2時半過ぎくらいからでしょうか、「三々五々」来客が増えてきました。

 土曜日でゆっくりできるので、平日よりも皆さん滞在時間が長い印象です。たまたま顔を合わせた方々同士が名刺交換などして面識を持ち、交流の輪を広げる機会にもなります。
 会議室の椅子10脚程度が常に満席状態となりました。

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 事務スペースの方は、子連れで来てくれた弁護士や元事務員さんなどなどで「女しゃべり場」になり、こちらも賑やかです。(掲載ご快諾ありがとうございました。)

 4時を過ぎたころ、国税不服審判官になった松井弁護士が駆けつけました。生ビールをおいしそうに飲んで近況報告です。

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 6時前、長居をするつもりの親しい弁護士たちが来てくれます。宴はこれから・・。

 終宴は午後10時を回りました。軽食類も飲み物も引き出物も足りなくなることもなく、余りすぎることもなく、何とか終えることができました。
 お越しいただいた皆様方、どうもありがとうございました。
 これからも「大阪ふたば」をよろしくお願いいたします。

September 04, 2010

新メンバーの紹介です【大橋】

 9月1日、新メンバーが当事務所に移籍しました。
 ちょうどこの日は、当事務所の開業8周年記念日。9年目に突入したのです。

 弁護士登録4年目、日本生まれで日韓バイリンガルの金奉植(きむ・ぼんしく)弁護士です。

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 当事務所には、開業間もない頃に松井が持ち込んだ「ドラえもん」ポスターが掛けてあります。
 「平和アンテナから出る電波は、どんな争いもピタリと止めるんだ」

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 金弁護士は、まさに平和電波を柔らかに発しながら、当事務所に登場しました。

 私たちの事務所は、それぞれの弁護士が一見てんでばらばらに好きなことをしているのですが、弁護士業務が独善に陥らないよう、緩やかに相互のサポートをする体制です。

 執務室では、背中を向け合って仕事をしていますが、振り向けばお互いに何をしているか一望できます。
 このオープンさを許容できる金弁護士は、ひとまず松井の休業期間中、よきパートナーとして大橋との共同経営に取り組んでもらえるものと期待しています。

 さっそく、金弁護士に自己紹介をしてもらいましょう。

January 04, 2010

新年。もっと勉強しよう【大橋】

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 新年明けましておめでとうございます。

 当事務所の開始は明日からですが、まずご挨拶から。

 ちなみにこの写真は昨日(1月3日)、大阪天満宮を通りかかったときのものです。
 3日でこれだったら、1日2日はどんな人出だったのでしょう?
 (私は初詣に行かないので実感したことがありませんが・・)

 全くの余談ですが、私は子どもの頃、たしか福沢諭吉だったと思いますが、「子ども向け伝記」を読んでいて、「神棚のお札を踏んでみたがバチが当たらなかった」というエピソードにいたく感銘した記憶があります。
 私の実家は、先祖代々の仏壇もあれば、神棚もあり、地の神様水の神様とも同居しているといった古い家でしたので、「そうかバチは当たらないのか」と妙に解放感を覚えたものでした。
 以来、私は無信仰で、「なぜ人は信仰心を持つのか」が関心事となっています。
 靖国訴訟に代理人として関わりだしたのも、その辺りに関心の源があると思います。

*~*~*~*~*

 さて、昨年は、30日晩に大量の片付けものをして、事務所の机周りをさっぱりさせて、あとは3日まで「溜めていた資料類を読もう」と決めました。

 といっても正月はそれなりにやることもあり、「読めてよかった」と思うのは2つくらいです。

 一つは、日弁連発行の月刊誌「自由と正義」2009年12月号です。

 毎月発行されるので、なんとか目を通すように心がけているのですが、この号はなかなか興味深かったのです。

 特集1は「両親の離婚・別居の際の面会交流の問題点と課題」。

 「面会交流」とは「面接交渉」がこのごろこういう言われ方をするようになってきたのですが、「子どもを養育していない方の親が子どもと会うこと」です。離婚前の別居の時期(共同親権)と、離婚後の時期(通常養育している親に親権がある)があります。

 これまでの家裁の運用だと、養育していない方の親が子どもと会う機会はせいぜい「月に1回」程度でした。私はそれが実情だと思って、(多くは女性である)養育親の側の代理人になれば「月に1回以上は認めなくてもいいでしょう」と言い、養育していない方の代理人になれば(月に1度が限界だろうな)と思いつつ、依頼者の意向に従って「毎週が望ましいが、せめて2週間に1回は認めてくれませんか」などと言っていたわけです。

 家裁の考えの根本には「養育する方の親の心情を重視する」考え方がありました。
 別れた元配偶者には会いたくない、したがって子どもを元配偶者に面会させるとギスギスする。
 それはかえって子どもに悪影響だ。
 だから、面会は制限するべきだ。
 ・・・ということになります。

 しかし、特集の論文では、アメリカの実例が挙がっており、面会交流が原則化されているということです。
 子どもの権利条約9条3項にも「締結国は、子どもの最善の利益に反する場合を除くほか、・・・・子どもが定期的に父母のいずれとも人的な関係及び直接の接触を維持する権利を尊重する」という規定があります。

 子どもの立場に立つと、間違いなく「どちらも親」であり、「どちらからも愛されたい」はずなので、「親の都合で片親と会えなくなる」のは不利益なはずだと思われます。

 でも、特集中の「離婚した親を持つ子ども」へのアンケート調査などを見ると、「あなたのために離婚しないんだよ」と親から言われるのもまた子どもにとって辛いのですね。「自分のせいで親はしんどいのに離婚ができない」と思わされるわけですから。
 
 親が、共同生活ができない心情になってしまったら、離婚するしかないのだろうと思います。
 その上で、双方が淡々と親の責任を果たすことができれば、子どもへの不利益は最低限になるのだろうと思います。
 まあ、私たち弁護士は、多く、既に当事者同士では冷静な話し合いができなくなったために「代理人」になるので、どうしたらそこまでクールダウンできるのかと日々悩むのですが。

 この点、同じ「自由と正義」誌で、元高裁総括判事の方が「家事調停の身形」という論考を寄稿しておられます。
 ここには、昨年に松井が遺産分割の家事調停で多大なる疑問を持った「調停での解決を図ろうとしない調停委員」への疑問も書かれています。
 それから、家事調停には審判官(裁判官)が立ち会うべきなのに(家事審判法22条1項によれば、審判官と家事調停委員2名以上による調停委員会が担当するはず)、実際には審判官は最後の調停成立時点まで当事者の前に出てこない現状に対して「このままではクレームをつける当事者がふえてくるのではないでしょうか」と辛辣に批判しています。

 興味深いのは、家事調停の成立率が50%を切っている現状を憂い、同じく一般人が関わる紛争処理としての「労働審判」の手続において調停成立率が高い(70%前後)こととの比較検討を行っていることです。
 もちろん、遺産分割にしても婚姻費用分担ないし離婚にしても、審判ないし訴訟へ行く前に「調停前置」ですから、調停で成立しそうになくても調停を起こさざるを得ないということがあります。労働審判は「審判前置」ではないので、いきなり訴訟を起こす選択肢もあります。
 それを措いても、筆者は、労働審判では①最初から審判官が同席する、②審判員2名は労使の専門家である、③全3回と決められている、④労働審判委員会が適当な時(通常2回目だが1回目のときもある)に必ず調停案を3名一致で提示している、という4点が高成立率の鍵ではないかと分析しています。

 私は労働審判にも関わっている者として、代理人弁護士が就くことが前提のように運用されている労働審判と、多くは当事者が代理人を付けずに申し立てている家事調停とでは、争点の整理のされ方も当事者の納得の仕方も同列には比較しがたい面はやはりあると思います。
 しかし、同じく「生活に身近な紛争」で、「できれば安く早く解決したい」類型であることが共通することを考えると、審判官(裁判官)が最初から当事者に「会う」ことは大事かもしれないな・・などと考えました。
 調停委員はやはり「一般人代表」みたいなところがあって、年齢も高めで、「裁判所というから期待して来たのに、この人たちの価値観で決められてしまいそう」と悲観的になった人からのご相談も多かったりするのです。
 豊かな人生経験を生かして上手な落ち着きどころを探すというのが調停委員の妙味ではあると思うのですが、今時「先輩を敬う」精神があるとも言えず、当事者から不審の目で見られ心を閉ざされる調停委員も辛い立場であろうと思います。
 調停委員でできることと、審判官が指し示すべき到着点と。家裁にも改革が要るようです。

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 長くなってきましたので後は端折りますが、同じ「自由と正義」誌の特集2は「ペット医療過誤を取り巻く法律問題」でした。
 私たち弁護士は、「そうか、ペット医療の過誤訴訟で、慰謝料も認められるのか」「最高で慰謝料105万円の判決があるのか」というようなところだけは知識に蓄えるのですが、根拠法令から判決例まで、具体的に参考になる内容でした。
 とはいえ、ペット医療過誤は人間と異なり「逸失利益」(将来どれだけ働いて稼げたのにそれが失われたかということ)が算定されないため、損害賠償額が低額に留まるのが現状です。
 「これはお金の問題ではない」という相談者の方でないと、費用倒れで呆然となる危険があります。また、弁護士の方も報酬があまり見込めないという悲しさがあります。
 判決例の集積で賠償額の相場が形成されれば、裁判によらないで交渉や調停、ADRによる早期解決も図れていくのでしょう。
 過払金返還請求が消費者保護に詳しい弁護士によって交渉解決の図れる事件になったように・・・

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 それから、「月刊労委労協」という、都道府県の労働委員会の労働者委員のための月刊誌から、コピーをもらってあったものがあったので、読みました。
 東京大学社会科学研究所の水町勇一郎准教授による講演録「集団の再生~アメリカの労働法・労働組合運動から得られるもの」です。
 講演録ですから読みやすく、アメリカの労働組合運動をヨーロッパと比較し、さらには日本の現状に何が参考にできるかを説いたもので、視点が整理され、新鮮でした。
 昨年、スウェーデンとオランダに行って、労働組合の存在感を実感しましたが、さらにアメリカの経験から、日本の労働者の現状はどのように変えていけるだろう、と自分なりに考えていく材料を与えられたと思いました。

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 さて、だいぶ時間を掛けて「年末年始の成果」を整理しました。
 新年の目標は「週末には仕事を離れて勉強する」です。
 尊敬する税理士さんの、「毎週4誌の業界誌に目を通す」という話が2年来頭に残っています。
 でも法律専門誌ばかり読むつもりもありません。もっと視野を広く。
 (身近なところで、松井はよく本を読んでいますね。業界本ばかりではなく。)

 ではそろそろ、初仕事に掛かりますか。
 
 
 
 

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