34 離婚・面会交流

March 31, 2014

離婚するママとパパのための絵本【大橋】

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 離婚のために代理人業務をするのは、私の仕事の多くの割合を占めています。

交渉でまとめるか、家庭裁判所に調停を申し立てるか、調停では折り合えずに離婚訴訟を起こすか。

その中で、子どもをめぐる争いは年々熾烈な問題となってきているように思います。

私の弁護士歴も14年満了、15年目に入りますが、10年前といったら、パパは子どもの親権までを争うことはそう多くなく、面会の機会にこだわることもそうありませんでした。
今は、ほぼ全部のケースで、子どものことはママとパパの間で争いになります。
特にまだ子どもが小さいとき、パパは「いちばん可愛い時期の子どもにどうして月1回しか会えないのか!」と怒ります。
 (ママが子育てを問題なくやっているために、そのまま親権がママに認められるケースを前提としています。)

 間にいる子どもは、どういう気持ちなんだろうか。
 私はなるべくそれを知りたいと思ってきました。
 離婚が「子供のせい」である訳はなく、一方的被害者なのです。しかも自分を守る力がまだありません。

 そんなとき、京都家庭裁判所の待合室に、「おすすめの絵本」のリストが貼ってありました。

 早速入手してみましたが、買えたのは3冊でした。
 そして中身を読んだのが、買ってから何カ月も経ってから。ようやく宿題を終えた気分です。

 絵本のよいところは、子どもの視線で描かれているので、自分が子どもの気持ちになれることです。
  どれも、ママとパパは出会わないようにして子どもを引き渡し、受け取っています。
  間に立つ子どもの気分は・・


  中でも、 「ココ、きみのせいじゃない」という本をご紹介したいと思います。

  アメリカの作者の本を日本の家裁調停委員をしている人が翻訳し、解説をつけたもの。
  パパが別居して、家が二つになるところから始まります。

 この「ココ、きみのせいじゃない」という本は、子どもに読み聞かせる絵本の部分に加えて、小さな字で詳細な解説がママとパパのために書かれているのです。

子どもがどんな気持ちになるか。それをわかってこういう配慮をしてあげてください、ということがたくさん書いてあります。

 たくさん買って、依頼者と相手方にもプレゼントしたいくらいです。
まとめ買いをすると割引もあるようですし。。

事務所に読みに来られますか?

February 05, 2012

弁護士がする結婚生活アドバイス【大橋】

 夫婦関係の法律相談をたくさん受けていますと、自ずから「不幸になりそうな結婚のパターン」が見えるようになります。

 もちろん、幸せの形はそれぞれなので、鉄砲玉のように仕事に飛んでいく配偶者を陰で支える幸せもあり、浪費家でも優しいからとぞっこんの場合もあり、安易な口出しは無用ということは多々あります。

 しかし一方、「これで当たり前だと言われるけど、本当にどこの家もそうなの?」と疑問に思うことがあるのではないかと思います。

 疑問に思うことを忘れるくらい当然だとされて、何年も過ごしてしまっている人もよくおられるのですが。

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 ひとつの例として、あなたは配偶者の収入とその運用先をご存じでしょうか?

 はっきり二つに分かれます。

「定額の生活費しか渡されていないので全く知らない」か、

「全部管理しているので知っている」か、です。

 これが、正に結婚生活の主導権をどちらがとっているかを明らかにしています。

 本当は、結婚当初にここはチェックしておいてほしいところです。

 なお共稼ぎの場合、「定額を双方が出しあっていて、後はお互いに知らない」ということもあります。これは平等でお互い納得だからよいのでしょう。


 配偶者の収入を知らないという方には、同一住所地に住んでいれば、市役所で課税証明書をもらって確認できますよ、とお教えしたりします。

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 結婚当初、また結婚生活の中で、一度うちの夫婦関係をチェックしてみようかな、という方。

 これも法律相談のうちです。お気軽にお越しください。

January 04, 2010

新年。もっと勉強しよう【大橋】

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 新年明けましておめでとうございます。

 当事務所の開始は明日からですが、まずご挨拶から。

 ちなみにこの写真は昨日(1月3日)、大阪天満宮を通りかかったときのものです。
 3日でこれだったら、1日2日はどんな人出だったのでしょう?
 (私は初詣に行かないので実感したことがありませんが・・)

 全くの余談ですが、私は子どもの頃、たしか福沢諭吉だったと思いますが、「子ども向け伝記」を読んでいて、「神棚のお札を踏んでみたがバチが当たらなかった」というエピソードにいたく感銘した記憶があります。
 私の実家は、先祖代々の仏壇もあれば、神棚もあり、地の神様水の神様とも同居しているといった古い家でしたので、「そうかバチは当たらないのか」と妙に解放感を覚えたものでした。
 以来、私は無信仰で、「なぜ人は信仰心を持つのか」が関心事となっています。
 靖国訴訟に代理人として関わりだしたのも、その辺りに関心の源があると思います。

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 さて、昨年は、30日晩に大量の片付けものをして、事務所の机周りをさっぱりさせて、あとは3日まで「溜めていた資料類を読もう」と決めました。

 といっても正月はそれなりにやることもあり、「読めてよかった」と思うのは2つくらいです。

 一つは、日弁連発行の月刊誌「自由と正義」2009年12月号です。

 毎月発行されるので、なんとか目を通すように心がけているのですが、この号はなかなか興味深かったのです。

 特集1は「両親の離婚・別居の際の面会交流の問題点と課題」。

 「面会交流」とは「面接交渉」がこのごろこういう言われ方をするようになってきたのですが、「子どもを養育していない方の親が子どもと会うこと」です。離婚前の別居の時期(共同親権)と、離婚後の時期(通常養育している親に親権がある)があります。

 これまでの家裁の運用だと、養育していない方の親が子どもと会う機会はせいぜい「月に1回」程度でした。私はそれが実情だと思って、(多くは女性である)養育親の側の代理人になれば「月に1回以上は認めなくてもいいでしょう」と言い、養育していない方の代理人になれば(月に1度が限界だろうな)と思いつつ、依頼者の意向に従って「毎週が望ましいが、せめて2週間に1回は認めてくれませんか」などと言っていたわけです。

 家裁の考えの根本には「養育する方の親の心情を重視する」考え方がありました。
 別れた元配偶者には会いたくない、したがって子どもを元配偶者に面会させるとギスギスする。
 それはかえって子どもに悪影響だ。
 だから、面会は制限するべきだ。
 ・・・ということになります。

 しかし、特集の論文では、アメリカの実例が挙がっており、面会交流が原則化されているということです。
 子どもの権利条約9条3項にも「締結国は、子どもの最善の利益に反する場合を除くほか、・・・・子どもが定期的に父母のいずれとも人的な関係及び直接の接触を維持する権利を尊重する」という規定があります。

 子どもの立場に立つと、間違いなく「どちらも親」であり、「どちらからも愛されたい」はずなので、「親の都合で片親と会えなくなる」のは不利益なはずだと思われます。

 でも、特集中の「離婚した親を持つ子ども」へのアンケート調査などを見ると、「あなたのために離婚しないんだよ」と親から言われるのもまた子どもにとって辛いのですね。「自分のせいで親はしんどいのに離婚ができない」と思わされるわけですから。
 
 親が、共同生活ができない心情になってしまったら、離婚するしかないのだろうと思います。
 その上で、双方が淡々と親の責任を果たすことができれば、子どもへの不利益は最低限になるのだろうと思います。
 まあ、私たち弁護士は、多く、既に当事者同士では冷静な話し合いができなくなったために「代理人」になるので、どうしたらそこまでクールダウンできるのかと日々悩むのですが。

 この点、同じ「自由と正義」誌で、元高裁総括判事の方が「家事調停の身形」という論考を寄稿しておられます。
 ここには、昨年に松井が遺産分割の家事調停で多大なる疑問を持った「調停での解決を図ろうとしない調停委員」への疑問も書かれています。
 それから、家事調停には審判官(裁判官)が立ち会うべきなのに(家事審判法22条1項によれば、審判官と家事調停委員2名以上による調停委員会が担当するはず)、実際には審判官は最後の調停成立時点まで当事者の前に出てこない現状に対して「このままではクレームをつける当事者がふえてくるのではないでしょうか」と辛辣に批判しています。

 興味深いのは、家事調停の成立率が50%を切っている現状を憂い、同じく一般人が関わる紛争処理としての「労働審判」の手続において調停成立率が高い(70%前後)こととの比較検討を行っていることです。
 もちろん、遺産分割にしても婚姻費用分担ないし離婚にしても、審判ないし訴訟へ行く前に「調停前置」ですから、調停で成立しそうになくても調停を起こさざるを得ないということがあります。労働審判は「審判前置」ではないので、いきなり訴訟を起こす選択肢もあります。
 それを措いても、筆者は、労働審判では①最初から審判官が同席する、②審判員2名は労使の専門家である、③全3回と決められている、④労働審判委員会が適当な時(通常2回目だが1回目のときもある)に必ず調停案を3名一致で提示している、という4点が高成立率の鍵ではないかと分析しています。

 私は労働審判にも関わっている者として、代理人弁護士が就くことが前提のように運用されている労働審判と、多くは当事者が代理人を付けずに申し立てている家事調停とでは、争点の整理のされ方も当事者の納得の仕方も同列には比較しがたい面はやはりあると思います。
 しかし、同じく「生活に身近な紛争」で、「できれば安く早く解決したい」類型であることが共通することを考えると、審判官(裁判官)が最初から当事者に「会う」ことは大事かもしれないな・・などと考えました。
 調停委員はやはり「一般人代表」みたいなところがあって、年齢も高めで、「裁判所というから期待して来たのに、この人たちの価値観で決められてしまいそう」と悲観的になった人からのご相談も多かったりするのです。
 豊かな人生経験を生かして上手な落ち着きどころを探すというのが調停委員の妙味ではあると思うのですが、今時「先輩を敬う」精神があるとも言えず、当事者から不審の目で見られ心を閉ざされる調停委員も辛い立場であろうと思います。
 調停委員でできることと、審判官が指し示すべき到着点と。家裁にも改革が要るようです。

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 長くなってきましたので後は端折りますが、同じ「自由と正義」誌の特集2は「ペット医療過誤を取り巻く法律問題」でした。
 私たち弁護士は、「そうか、ペット医療の過誤訴訟で、慰謝料も認められるのか」「最高で慰謝料105万円の判決があるのか」というようなところだけは知識に蓄えるのですが、根拠法令から判決例まで、具体的に参考になる内容でした。
 とはいえ、ペット医療過誤は人間と異なり「逸失利益」(将来どれだけ働いて稼げたのにそれが失われたかということ)が算定されないため、損害賠償額が低額に留まるのが現状です。
 「これはお金の問題ではない」という相談者の方でないと、費用倒れで呆然となる危険があります。また、弁護士の方も報酬があまり見込めないという悲しさがあります。
 判決例の集積で賠償額の相場が形成されれば、裁判によらないで交渉や調停、ADRによる早期解決も図れていくのでしょう。
 過払金返還請求が消費者保護に詳しい弁護士によって交渉解決の図れる事件になったように・・・

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 それから、「月刊労委労協」という、都道府県の労働委員会の労働者委員のための月刊誌から、コピーをもらってあったものがあったので、読みました。
 東京大学社会科学研究所の水町勇一郎准教授による講演録「集団の再生~アメリカの労働法・労働組合運動から得られるもの」です。
 講演録ですから読みやすく、アメリカの労働組合運動をヨーロッパと比較し、さらには日本の現状に何が参考にできるかを説いたもので、視点が整理され、新鮮でした。
 昨年、スウェーデンとオランダに行って、労働組合の存在感を実感しましたが、さらにアメリカの経験から、日本の労働者の現状はどのように変えていけるだろう、と自分なりに考えていく材料を与えられたと思いました。

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 さて、だいぶ時間を掛けて「年末年始の成果」を整理しました。
 新年の目標は「週末には仕事を離れて勉強する」です。
 尊敬する税理士さんの、「毎週4誌の業界誌に目を通す」という話が2年来頭に残っています。
 でも法律専門誌ばかり読むつもりもありません。もっと視野を広く。
 (身近なところで、松井はよく本を読んでいますね。業界本ばかりではなく。)

 ではそろそろ、初仕事に掛かりますか。
 
 
 
 

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