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September 2012

September 10, 2012

SLAPP訴訟-沖縄・高江で、山口・上関で【大橋】

 大橋です。9月1日、大阪ふたばは開業10周年を迎えました。
 10年で培ったものや、悲喜こもごもの経験を糧とし、将来への展望を秘めて、11年目を踏み出しました。
 今後とも、大阪ふたばの成長を見守り、ご支援ください。

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 9月9日、オスプレイ配備に反対する沖縄県民集会が開かれました。
 沖縄へ米軍基地をそのまま残して「我がこと」とは考えない本土の私たちに、沖縄からは何度も声が挙げられています。微力ですが私もいつも沖縄のことを忘れずにいたい、という気持ちだけは持っています。

Photo


 これは、確か3年前に沖縄の高江を支援訪問したときに買い求めたTシャツです。
 漂白しない自然な白の綿でできていて、とても着心地がよい。そしてピースマークの柄も素敵です。


 このとき、高江で、米軍のヘリパッド移設工事を強行しようとする沖縄防衛局に対して、地元住民が交代でテントを張って阻止のために監視活動をしていること、これに対して通行妨害禁止の仮処分の申立がされていることを知りました。

 申立の内容など、詳しいことまでは聞きませんでしたが、沖縄弁護士会の弁護士がきっと頑張ってくれているのだろうと思いました。

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 この仮処分の結論についてなど、その後のフォローが全くできていなかったのですが、最近、日本弁護士連合会「自由と正義」8月号で、沖縄弁護士会会員の加藤裕弁護士による講演録「東村高江区における米軍ヘリパッド建設に関する人権救済申立書及び沖縄における米軍基地の動きをめぐる情勢」を読みました。

 2009年12月11日に、申立をされた15名(1名取り下げがあって14名)のうち2名について妨害行為が認定され、申立が認容された、とのことでした。

 この仮処分申立たるや、申し立てられた住民一人一人についての「妨害行為の事実」の疎明資料が極めてずさんであること、住民の特定もできていないこと(提出された疎明資料中の写真と氏名が合わない)、それからなんと、7歳の子どもさんにも申立てがされているということでした。
 それで、結論として2名のみに決定が出たということのようですが、申立自体が脅し以外の何物でもないと思わせます。

 この本案訴訟も2012年3月14日に那覇地裁判決が出され、1名に対して妨害行為禁止が命じられたとのことです。
 現在は控訴審で、この9月11日に第1回弁論があるとのこと。

 詳しくは、→http://takae.ti-da.net/d2012-09-07.html


 ところで私が加藤弁護士の講演録で特に目を留めたのは、「SLAPP訴訟」の文字でした。

 SLAPP訴訟(Strategic Lawsuit Against Public Participation 市民参加に対抗する戦略的訴訟)と定義される訴訟類型があるのだ、ということを、私は今年の8月17日に初めて知ったのです。
 「ここにも出てきた!」と思いました。

 その日は、九州電力に対して玄海原発の稼働停止を求める訴訟及び仮処分審尋のために、佐賀地裁に行った日です。そこで、「上関原発の埋め立て工事に対する反対運動をしていた人たちが、中国電力から仮処分の申立をされていて、住民の妨害を禁止する決定が出て、今は最高裁へ行っている」という話を聞きました。
 そのときもらったリーフレットに「SLAPP訴訟」の文字があったのでした。

 この裁判は、9月4日付けで最高裁から「反対派による妨害行為の禁止を求める決定」が出た、と報道されています。→http://www.asahi.com/national/update/0906/TKY201209060259.html

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 場面は違いますが、このところ、労働争議をしている労働組合から、「会社から営業妨害行為で損害が出たと言われ、数千万円といった巨額の損害賠償請求訴訟を起こされた」という話を複数聞いています。

 これまでになかったことですが、国や巨大企業が、到底経済力では抵抗できないが故に決死の実力行使に出ている弱者を、裁判所に引きずり出すという構図が出現するようになったのです。

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 裁判所は公正中立、一人の弱者の声でも、それが法的に正当であれば「正当だ」と宣言してくれる。
 そういうものとして、弱者は裁判所に一縷の望みを託し、裁判に訴えてきました。

 弁護士から見れば、裁判も決められたルールの範囲で運営される一個のゲームでしかなく、決して真理を反映するとは限りません。証拠がなければ勝てません。
 だから安易に裁判所に依存すると、運動自体が潰れかねないのではないかと、心配でした。

 しかし今や、裁判所を利用するのは弱者ばかりでなく、強者からも、となりました。
 国や巨大企業が、裁判費用と弁護士費用を掛けて、住民一人一人を名指しで裁判を仕掛けてくるのは、きっと淡々と業務として行われていることでしょう。

 しかしこれに対して、仕掛けられた住民一人一人の方はどうでしょうか?
 職業生活・家庭生活を根底から覆すような衝撃を受け、心身に支障を来すのではないかと想像します。
 個人で裁判所からの通知を受け取って、平気でいられるのは弁護士くらいのものでしょう。いや、弁護士でもかなり気分が悪いです。
 弁護士以外の人の場合は、「気分が悪い」を超えて、「どうしたらいいのか・・」と途方に暮れられるであろうことは容易に想像できます。

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 この住民一人一人の受ける衝撃を、国や巨大企業の担当者らは想像してほしい。そこに何の配慮もなければ、非人間的行為に他ならないと思います。


 その一方で、国にも巨大企業にも「裁判を受ける権利」が憲法で保障されているのを、否定することもできないのです。

 
 あとは、私たち弁護士がどれだけ身近で、間髪を入れずにアドバイスをし、対等に立ち向かえるように構えをとることができるか、という問題でもあるのだと思います。
 

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