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October 03, 2010

大阪地検特捜部の一連の事態と、大阪弁護士会会長声明【大橋】

 大橋です。

 来週は出張なので仕事をしておきたかったのに、雨に降り込められて自宅待機しています。
 これからもっとひどくなるらしい・・困ったものです。

 ところで、大阪地検特捜部検事による「証拠隠滅」次には「犯人隠避」容疑での現役検事3名の逮捕事件は、朝日新聞でも連日報道されていますし、週刊新潮や女性セブンでも取材・掲載されています。
 週刊新潮は、発売日に(朝日新聞で見出しを見て)晩にコンビニに買いに行ったら、ありませんでした。
 裁判所近くの店だったので、買う人が多かったのでしょう。
 ようやく本日午前に、自宅近くの書店で買いました。

 新聞記事や週刊新潮の記事を読みながら、これまで抱いていた「特捜部」のイメージがだいぶ違っていたな、と思いました。
 私のイメージでは、「特捜部」は大型脱税事件や贈収賄事件を担当するところで、地道に通帳履歴などの裏付け捜査を重ねて客観証拠で有罪の証拠を確保した後、最後に容疑者を逮捕して、自白があろうがなかろうが立件するところだと思っていました。
 ご存じの方も多いかと思いますが、刑事訴訟法では「補強法則」というものがあって、「自白が自己に不利益な唯一の証拠である場合には、有罪とされない。」と決められています。補強証拠としての客観証拠が必ず必要なのです。
 自白に頼った捜査はしない。客観証拠から固める。そういうものだと思っていました。
 
 しかし、今回の件は、一番の客観証拠が「改ざんされたフロッピーディスク」で、後は無理矢理見立てに合わせてとった証人の調書類、そしてそれらを踏まえて本人に自白させた調書(村木さんは自白はしていませんが)という証拠で立件したということですから、最初から「無理な見立て」の事件でしかなかったということになります。

 特捜部の沽券の維持のために村木さんにとんでもない心身の苦痛と不利益を負わせたのが実態であったならば、最高検による捜査も身内意識を排した徹底したものである必要があります。

 大阪弁護士会では、去る9月29日に、会長声明を出しています。
 最高検だけにこの件の捜査を任せるのではなく、第三者機関の設置・調査と、取調の可視化を求めるものです。
 今回の件で、検察官の作る調書がいかに無理強いで都合のよい作文になり得るかが実証されてしまった以上、取調の模様を全過程につきビデオ録画することが、これを防ぐ担保になるという提言には、頷けます。


大阪地方検察庁の特捜部主任検察官による証拠の改ざん等についての会長声明
http://www.osakaben.or.jp/web/03_speak/seimei/seimei100929.pdf

「当会は、本件を契機に、検察庁が市民の、検察庁・検察官に対する信頼を回復するためにも、第三者が参加した機関による徹底的な調査をし、真相究明と再発防止を図るとともに、被疑者等の取調べの全過程を録画・録音によって可視化するなど客観的証拠の収集・保管の過程を検証可能なものとして、その捜査過程を可視化する制度構築に真剣に取り組む事を、強く求めるものである。」(結論部分抜粋)

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