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December 2008

December 06, 2008

11月のレポートその2 「ハラスメント連続講座」第3回の講演【大橋】

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 11月29日(土)午後、「働く女性の人権センター いこ☆る」主催の「ハラスメントに負けないために 連続講座」の締めの第3回がありました。

 締めという重責だったのですが、「日本にもハラスメント規制法を!~ヨーロッパの先進的取り組みに学ぶ~」というタイトルで、「実際に日本で法的手段をとるとしたらどうなるか、どういう難しさがあるか」「EU、特にフランスの取組みによる法制化でどうたたかいやすくなったのか」という内容を話しました。

 主には、例えば労災認定をとる場合に問題になることとか、裁判や労働審判を起こす場合の立証の問題とか、慰謝料金額とかいったお話をしました。
 フランスの法律については、実際のところ、自分で原典をあたったわけでもありませんので、学者の方の論文をまとめて報告するという程度だったのです。
 ただ、法制化された内容は、「挙証責任の転換」や「労働組合訴権」、「告発したり証言した労働者の保護規定」「離職の無効による復職ないし損害賠償の規定」「いじめに対する刑事罰」など、示唆に富むものです。

 どのように運用されているのかということについては、またどなたかによりレポートが出されるのを待たねばなりません。
 ちなみに、本年6月の「国際職場のいじめ学会」では、マリー=フランス・イルゴイエンヌさんの講演で、フランスでは法制化の次の段階として、定義へのあてはめ問題、つまり「どこからがいじめなのか」のライン引きに論争点が移り、肝心の職場環境の整備の問題に焦点が当たっていないという報告もありました。
 もちろん、日本より1段階先に行っているのは間違いなく、また、それだけ「いじめ」問題が根深いものであることを示していると思います。

 私の後に、ユニオンおおさかの小田みどりさんから、労働組合として取り組んでいる具体的ケースについてのお話もされました。

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 「職場のいじめ」問題は、現に「いじめを受けている!」と思ったときに、まだストレスで精神が疲れ切る前の段階で適切に労働組合へ相談ができて、職場環境の改善に進んでいけることが何より大事だと思います。

 弁護士のところに相談に来られるのは、既に「うつ」の診断が出て休職中であったり、休職が長引いて退職または解雇されてしまったりしてからのことが多いので、「次のためにどうするか」という相談にならざるをえなかったりします。

 職場を離れてからだと、ハラスメントの証拠を確保することから難しくなります。

 労働組合がまず身近になってほしいと思いますし、弁護士への相談もなるべく気軽にしていただきたいと思います。
 

11月のレポートその1 「更生保護と弁護士会の役割」シンポジウム【大橋】

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 このごろ貫禄出てますか?
 トレンチを着こなそうと頑張っている大橋です。

 12月を迎えて、11月に取り組んだ企画2件についてご報告したいと思います。
 まず「その1」。

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 11月28日(金)、滋賀県大津市で、近畿弁護士会連合会の人権擁護大会が開かれました。
 その第1分科会で、「罪を犯した人の更生保護と弁護士会の役割」と題する公開のシンポジウムがありました。

 「更生保護」とは誰でも知っている言葉ではないと思いますが、罪を犯して刑事手続(警察・検察による捜査、刑事裁判)を終えた後のフォローのことを指します。

 公の機関としては、法務省の一部署である「保護観察所」が担っていますし、地域には「保護司」という方がいらっしゃいます。また、「更生保護女性会」という団体に入っていらっしゃる方もおられるのではないでしょうか。

 少年時代に保護観察処分を受けて保護司さんのお世話になった方も、子どもさんが現にお世話になっている方もいらっしゃるでしょう。

 2007年にこれまでの法律の全面改正で「更生保護法」が施行されました。これまでの保護観察では「監視」が弱くて再犯を許してしまっているという批判を受けたものです。
 
 果たして、更生保護の現場ではどのような苦労があるのか? 
 また、「更生保護法」はどう評価すべきか?
 そして、弁護士また弁護士会は更生保護とどのように関わるべきか?

 こういった問題意識の下、私たちは実行委員会を組み、基調報告書を作成しました。
 近畿にある更生保護施設(帰住先のない人を対象とした施設)もほぼ全部訪問しました。

 (ちなみに写真の「更生保護法人泉州寮」は、大阪府内にある、少年のための専門施設です。)

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 シンポジウムでは、大津保護観察所長・吉田研一郎さん、更生保護施設和衷会の施設長・加藤吉宏さん、NPO法人神戸の冬を支える会事務局長・青木しげゆきさん、九州大学大学院法学研究院教授(刑事処遇論)・土井政和さん、そして弁護士であり保護司でもある野口善国さんにパネリストとして参加していただきました。

 また、会場特別報告として、「刑余者支援おおさかネットワーク準備会」と、「京都ダルク」から発言をいただきました。

 京都弁護士会の石側亮太さんと私がコーディネーターをしました。欲張ってテーマを盛り沢山にしたので、時間内にまとめるのが大変でした。終ってホッとしました。

 弁護士は、刑事弁護人の仕事をしますから、更生保護の対象となる人によく関わるのですが、刑事弁護が終了した後にどういったアドバイスをしてあげられるかというと、ほとんど知識がないのです。
 今回のシンポジウムでは、法務省が厚生労働省とともに取り組んでいる「高齢者・障がい者を福祉へつなぐ取組み」「就労支援の取組み」のこと、支援団体が取り組んでいる「居宅を確保し生活保護へつなぐ取組み」のことを広報する機会にもなったと思います。

 また、大阪弁護士会の人権擁護委員会と刑事弁護委員会有志による「押しかけ法律相談」から始まった、更生保護施設和衷会での定例法律相談の取組みも紹介しました。
 借金を負ったまま刑務所へ行き、出てきても「取立に遭うから住民票を移せない、まともな職に就けない」と悲観している人がたくさんいます。
 弁護士の取組みは、少しずつですが始まっています。まずは近畿の各弁護士会が取組みを始めることを決議しましたので、次第に広がっていくと思います。

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