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August 04, 2008

人を裁くということ、そしてその後【大橋】

 しばらく更新を怠っていましたら、松井は夏に向けてパワーアップ!
 「双龍法律事務所」構想も復活していたのですね。

 しかし私は・・・私の元依頼者からも松井ブログを見て消極意見が来ました・・・

 こういう重要なテーマは、秋の涼風が吹くまで寝かしておいた方がよいと思いますねぇ。

*~*~*~*~*

 さて、暑さに合わせて活動スピードを落としている今日この頃ですが、最近読んでいた本はこれらです。

S

 左の「自閉症裁判」は、1年以上前にふと購入して、いつか読もうと置いていた本です。
 「浅草レッサーパンダ帽男女子短大生殺人事件」などと呼ばれている事件のルポルタージュです。

 一方、右の「続 獄窓記」は、元衆議院議員で黒羽刑務所で実刑に服してきた山本譲司氏の「獄窓記」の続編で、今年の2月に出版されたところです。

 この二つが、ちょうど私の中で旬を迎えました。

 今年、近畿弁護士会連合会が秋に開催する人権擁護大会シンポジウムの分科会の一つで、「更生保護」をテーマとすることになりました。
 今、実行委員会で準備中です。
 「更生保護」とは、刑事事件を起こした人の社会復帰のことです。

 私はもともと刑事政策という科目を司法試験で選択していて(10年ほど前まではまだあったのです)、いやというほど覚え込んだこともあり、刑務所や出所後のことには関心があります。

 最近、名古屋刑務所事件(刑務官が受刑者に高圧ホースで水を浴びせて死亡させるに至った事件)を契機として「監獄法」というカタカナの苔むした法律も改正され、様々に刑務所の制度は変わりました。

 一方、刑務所を出所した後あるいは執行猶予判決を受けて釈放された後の社会復帰への援助体制は貧弱です。最近、ようやく山本譲司氏の体験を踏まえた働きかけが一つの契機になって、高齢者や障害者の実態が明らかにされてきて、対策も考えられるようになってきました。

 介護の要るような高齢者、裁判という仕組みを理解しえない知的障害者が、なぜ刑務所の中にいるのか。これは衝撃的な事実でした。

 この衝撃は、検察官・弁護士・裁判官に向いて返ってきます。

 なぜ検察官は起訴するのか。起訴して実刑を求刑するのか。
 なぜ弁護士は不起訴に持ち込んだり、裁判になっても執行猶予をつけさせたりすることができなかったのか。
 なぜ裁判官は実刑を宣告して刑務所へ送り込んでしまうのか。

 被害者は、「社会に出てこられなくしてください」と言うでしょう。その気持ちを無視することはもちろんできません。
 しかし、刑務所に入れることが解決になるのではない場合もあります。
 その被告人が刑務所という場所で反省するならそれでよい。しかし、刑務所がいちばん生きやすい場所で、世間では辛くて生きていけないという状況の人である場合はどうでしょう。
 その人に温かく(時には厳しく)生活をサポートする人の輪が必要です。そして財政的根拠です。
 犯罪に追い込まれた境遇の人には、罪を罪として裁くことも必要ですが、刑務所に入れることが必須であるとは言えません。

 更生保護について勉強する中で、「罪を犯した人の社会復帰権」という言葉に出会いました。

 人間は、社会で生きていく存在だ。社会へ戻ることが権利なのだ。こういう発想は新鮮でした。

 シンポジウムの報告をどうまとめていくのか、今走っています。
 いや、まだ小走りというところです。バテないようにそろそろと。
 私はやっぱり松井ほど暑さが好きではないのです・・
 

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