「文化庁のミス確定」~文化庁は立法者じゃないもんね、確かに~【松井】

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19日の日経朝刊。
「『シェーン』著作権消滅
53年映画 文化庁のミス確定」
という見出しです。
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「文化庁のミス」って、なんて揶揄した表現なんだと驚きましたが、実際の最高裁の判決を読んでみて、納得。
上告人らの主張、「本件改正法の成立に当たり、昭和28年に公表された映画の著作物の保護期間の延長を意図する立法者意思が存したことは明らかであるとして、この立法者意思に沿った解釈をすべきである」という主張に対しての最高裁判所の答え。
「法案の提出準備作業を担った文化庁の担当者において、映画の著作物の保護期間が延長される対象にしょうわ28年に公表された作品が含まれるものと想定していたというにすぎないのであるから、これをもって上告人らの主張するような立法者意思が明白であるとすることはできない。」
それはそうだ。「文化庁の担当者」は所詮、「文化庁の担当者」であって、「立法者」ではない以上、「立法者意思で」とはいえない。
立法者意思はどういったかたちで認められるかというと、本件では、「立法者意思が、国会審議や付帯決議等によって明らかにされたということはできず」として、明白な立法者意思は認められないとされています。
これじゃあ、確かに、「文化庁のミス」、確定との見出しがつくはと納得。きついね、最高裁。
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この文化庁のミスはいつの出来事かというと、なんとほんの数年前の平成15年6月12日に成立した著作権法の改正について。
経過措置規定の文言の解釈をめぐって争われた今回の訴訟。
改正法付則2条
「改正後の著作権法・・・第54条第1項の規定は、この法律の施行の際現に改正前の著作権法による著作権が存する映画の著作物について適用し、この法律の施行の際現に改正前の著作権法による著作権が消滅している映画の著作物については、なお従前の例による」と規定されていました。
この「この法律の施行の際現に」がいつを現すのか。
そりゃ、通常、「この法律の施行の日において」と解するでしょう。
この点を、「当該法律の施行の直前の状態を指すものと解すべき」というのはやはりかなり強引。
文言を起案した担当者や、チェックの方々は気づかなかったんだろうか・・・。
文化庁・・・。
日経の記事では次のように書かれています。
「パラマウント社側は、『改正法が施行された0四年一月一日午前零時と、著作権が満了する前年十二月三十一日午後十二時は同時刻で、著作権は存続する』との文化庁著作権課の見解に基づき、権利主張していた。」
最高裁判決でたまに見かけるパターン。
法解釈について、行政庁の見解に依拠し、負けるパターン。特定商取引法に関するNOVA判決もそうだよ・・・。行政庁が、法的にオッケーだといっても、完全には信用できない。裁判所がどういいうかを考えないと・・・。
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ロビー活動の結果、映画の著作権の保護期間の延長のため、法改正となったんだろうけど、さすがにこのミスについて国賠は難しいだろう。うがった見方をすれば、もしかしたら改正に反対する職員がわざと???そんなわけ、ないか。
「シェーン」。50年間も保護されたんだから、映画としていくら莫大な費用が注ぎ込まれているとはいえ、もう十分、もとはとれて十分ではないのか。70年も保護する必要、あるのか。
(おわり)

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