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April 2006

April 16, 2006

NHKドラマ「マチベン」雑感【大橋】

 昨夜は、弁護士ドラマを一度見てみたいと思って、NHKドラマ「マチベン」を見ました。
 江角マキコ主演、沢田研二と中島知子の3人でパートナー法律事務所を経営しているという設定、6回連続の2回目を見たのです。
 世間の考える「マチベン」ってどんな感じなんだろう?と、マチベンを自称する私はワクワクしておりました。
 (念のため、「マチベン」とは町医者の弁護士版で、街角にあって個人の一見の相談者から気軽に事件を引き受ける弁護士、という感じでしょうか。うちの事務所はオフィス街ですが)

 そうですね、「マチベン」の感じがドラマ的に誇張されていましたので、まさかあんな感じでは事務所は経営できまい、という気はしましたが。
 例えば、3人も弁護士がいて、事務員が1人だけでは到底仕事は回りません。裁判所や郵便局に出かけてしまったら、誰が電話をとるのだろうか・・?
 事務員の人件費が少ない分、売上の3割を拠出するだけで事務所が維持できているのかもしれませんが、実際には・・もっと経費は出していますよ。少なくとも私は。

 それから、この「えびす堂法律事務所」と同様、当事務所も紹介者は不要ですが、着手金はいただかないわけにはいきません。
 着手金をいただかない、ということは、①勝てる事件だけをえり好みして受けるか、②勝ち負けにこだわらないいわば採算度外視のボランティアか、のいずれかにしかなりません。
 また、これははっきりお伝えしたいです。弁護士の仕事は勝訴の請負ではありません。
 最も依頼者の利益になるように考えて提案しますが、いっしょに歩くのが仕事であって、勝ちを取ってくるのが仕事ではないのです。(委任契約)
 そうした仕事の原点に立ち返り、当事務所の着手金は「請求額が高いほど高い」計算式ではなく、「予想される手間に応じていただく」方式にしています。また、経済的に余裕のない方には積極的に法律扶助制度をお勧めしています。
 ただし、最後の成功報酬は「得られた経済的利益」に比例していただく方式です。その方が、頑張るモチベーションが上がりますし。

 ところで、「えびす堂法律事務所」はどうも「えびす堂薬局」の隣か何かに店続きで設置されているようです。入り口は引き戸で、下はすりガラス、上の方が透明ガラスで、中の様子がだいたい見える。ガラガラと開けると弁護士がみんなで顔を上げて「いらっしゃい!」という事務所。
 確かに、だいぶ敷居は低いですねぇ。
 敷居の低さと、セキュリティをどう兼ね合わせるか、が難しいところなのですが。

 あと、これだけは。
 今回の話は刑事事件(冤罪、起訴前弁護)と、労働事件(不当解雇撤回)がテーマでした。
 刑事事件について。
 ①誘拐時刻にアリバイがあるからといって、共同正犯で分業した可能性は十分ある。その点の裏付けなしに釈放するわけがない。
 ②それに、「公務執行妨害」で逮捕されていて、釈放されるだろうか?
 ③さらに、身代金の入ったカバンが頭上から降ってきて、偶然それを拾った人がそれを抱えて走り出したら「占有離脱物横領」にはなると思うのだが、検察はえらく簡単に釈放したものだ。
 ④しかも釈放交渉は「やめ検」江角がかつての同僚検事(で元恋人)に面談して迫っていた。そんな!! (いや、実際には刑事弁護人は電話や面談で検事と交渉したり、裁判官に面談を求めたり、勾留理由開示公判を請求したりと必死に動き回るのです。「やめ検」はその点、一手間楽なんでしょうか?)
 ⑤ついでに、釈放交渉で坊ちゃん弁護士が判決例をさらさらと暗唱して警察の捜査の手荒さを追及したのに対して、検事が「マチベンにしておくにはもったいないな」と言った一言に、私はマチベンがそんな見られ方をしているのかといたく傷つきました。(-_-;)

 労働事件について。
 ①尋問手続が、自分の依頼者なのに何も打ち合わせをしていないみたいに進んだが、そんなことは通常ありえない・・最初からどういう進行になるか説明して訴訟を始めるはずなのに?
 ②尋問手続中に、裁判長の許可もなく傍聴席を向いて語りかけるなんてことは普通できません。(弁護士がうろうろ歩きながら尋問をすることはできます。あれは本当。)
 ③ついでに。ややこしくなるので触れていないのだとは思いますが、本裁判の前にまず給料の仮払い仮処分申立をすることが多いと思います。それでないといきなり懲戒解雇では暮らしていけません。

 日弁連が撮影協力したと書いてあったのにどういうことだろう? 模擬法廷か何かを貸してあげただけとか?

 わかりました。やはりドラマ仕立てのものは、ドラマと思って見ないとダメです。実際にはもっと複雑で、1時間ドラマにはなりません。
 しかし、人の人生の一コマ、しかもたいてい不幸な一コマに立ち会い、回復の道のりを一緒になって歩いていく醍醐味は、このドラマにも現れていたと思います。
 弁護士の仕事がドラマ以上に興味深く、やり甲斐のあるものであるのは、間違いありません。

April 01, 2006

アルバイト金さん、ロースクール生に【大橋】

2006330

 これまで週1回のアルバイトに来てくれていた、金鐘一さんが、努力の甲斐あって母校・神戸学院大学のロースクールに合格されました。
 忙しい時期に手伝ってくれて、とても助かりました。

 3月30日、最後の日でしたので、記念撮影です。

 金さんは、刑事弁護にとても関心があるということです。
 裁判員制度が導入される2009年、金さんが熱意ある刑事弁護人として活躍される姿を楽しみにしていますよ!

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