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January 15, 2006

配偶者の不倫、どう始末をつけるのか【大橋】

 新年明けましておめでとうございます。

 昨年の中頃、もっとブログを書こうと決意したのもどこへやら、公約違反で新年を迎えました。
 どうやら、松井のように画像を入れようと気張ると書けなくなるようです。
 そこで、とりあえず字だけでもアップしたいと思います。

 さて。
 昨年中も、不倫がらみのご相談が沢山ありました。
 男性からも女性からも、ありました。
 夫に不倫をされ、離婚しようとする方。
 夫に不倫をされ、離婚はせず、相手方の女性に慰謝料を求めたいという方。
 妻に隠れて不倫をし、発覚して別居しているが、離婚をしたいという方。
 妻に不倫をされ、離婚をするが、妻に慰謝料は請求せずに相手方の男性に慰謝料を求めたいという方。

 今は、離婚する夫婦間での年金分割の開始が来年(2007年)4月からですから、それを見越した離婚の段取り作りが必要になります。
 来年はいわゆる「熟年離婚」ラッシュが見通されていますね。

 ところで、配偶者に不倫をされたとき、「相手の女(または男)に慰謝料を要求したい」というご希望はよくあります。
 昨年解決した事件で、私の依頼者が離婚した夫の相手の女性に慰謝料を請求した裁判がありました。
 尋問手続までしてから、最後に和解が成立して解決金を得て終わりましたが、和解の話をしているとき、その裁判長は「このごろ、この手の事件は多くなりましてね。もう要件別一覧表が作れるくらいです」と笑っていました。
 つまり、「結婚後何年」「不倫の期間」「破綻の程度」等々でだいたいの慰謝料の線が裁判所内にできているようなのです。

 一方、弁護士同士で話をしていますと、「不倫の相手方に慰謝料を請求したいという相談があっても、受けない」というスタンスの弁護士も珍しくはありません。
 この考え方の根っこは、「不倫したのは自分の配偶者なのだから、まず配偶者に責任がある。夫婦間の問題であり、配偶者に責任追及するべき。相手方まで責めるという気持ちには賛同できない」ということにあるようです。

 うーん、それもわかりますね。
 
 しかし、事情を聞いていますと、相手の女性がものすごく積極的に「略奪」に及んでいる場合もあって、全てを一概には語りにくいと思います。ですから、私は事案により相手の女性に行動の責任をとらせるべきだと考えます。

 だいたい、不倫を原因として(「不倫」の事実と、「不倫」発覚まで夫婦生活は破綻していなかったことを立証する必要があります。)離婚に至った場合に、慰謝料は300万円、かなりひどい場合(長期に及ぶとか、暴力を伴うとか)で500万円くらいが裁判の相場と言えますが、上がっていく方向だと思いますし、「安すぎる」と思っている弁護士が多いでしょう。
 なお、これは精神的苦痛に対する慰謝料の金額であり、離婚給付には他に「財産分与」がありますから、「離婚してもこれだけしかもらえない」というのではありません。

 「これでは気が済まないし、探偵会社を使ったお金を考えると割に合わない!」(新車1台分、と言われているらしいです)
ということですと、相手の女性を訴えようという気持ちも起こってきます。

 ただし、法的に重要なことをお知らせしておかなければなりません。
 「不倫」というのは、配偶者と相手方異性による共同不法行為であるということです。
 2人が共同して不倫をしたのですから、不倫により発生した慰謝料を払う責任は、2人の連帯責任です。
 2人別々に150万円ずつ(仮に)が発生するというのではなく、「2人で300万円」という決まり方になるということです。

 これはどう影響するかといいますと、この不倫がきっかけになって配偶者と離婚するに至った場合、配偶者から「慰謝料300万円」をもらってしまえば、不倫の相方にはもう慰謝料を請求する余地がない、ということなのです。

 ちなみに、不倫はあったけれども夫婦は離婚に至らなかったという場合は、精神的苦痛の程度は離婚に至るより軽いと考えられますから、100万円認められればいいところ、というのが実際の相場です。
 相談者の方はそれを聞いて不満そうにされますが、「結局、貴方が勝ったんですから」と客観的な事情を認識していただきます。

 またこんなに長くなってしまいましたが、要するに夫婦関係と不倫の問題は、結構巷に沢山あります。
 どうしてだろう、結婚するときにはおそらく永遠の愛を誓ったはずなのに・・
 しかし、お互いが信頼できない状態になれば、結局のところ、金銭解決をせざるを得ません。

 そうであっても不倫されたほうは、なかなかスッパリとはいかない。
 それはある意味、最も緊密だった関係を切り離す作業ですから当然です。
 配偶者の裏切りへの憎しみに、「自分が悪かったのか」と責める気持ちが混じり合って、整理がつかなくなります。
 しかし、それ以上の問題があります。
 多くは女性の側が、生活の激変を迫られることです。とりわけ経済面の不安は重大です。

 結論。女性が自由に離婚を決断できるように、経済的な地位の確保が社会的に保障される必要があると思います。
 年金分割は導入されますが、これで安心する人も今や少ないでしょう。
 もっと経済的に安定していれば、女性も毅然と離婚を切り出し、さっさと新生活に向かえるのです。
 そして、生活に迫られてではなく、本当に相性のよい次の伴侶を捜せるというものです。

 子どもさんの心情安定や幸福を、両親の離婚沙汰にどう巻き込まずに確保するか、という問題は別に重要です。
 これは、また時期を改めましょう。

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Comments

 「女性が自由に離婚を決断できるように、経済的な地位の確保が社会的に保障される必要があると思います。」と言う点について一言。
 「保障される必要がある」というのが何を意味するのか興味のあるところです。
 突き詰めていくと、この国の雇用スタイル、特に女性の場合の事情が大きな問題として横たわっているのでしょうね。
 経済的自由が精神的自由を確保するのは間違いないですもんね。
 少子化についても出産費用を無料にしたら解決する話しでは到底ないと思うんですけど、どうなんでしょう猪口大臣。

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